入院時の自己負担額が一定以上かかった場合には「高額療養費制度(※)」より払い戻しが行われるため、健康保険適用治療の場合には、基本青天井で医療費がかかるわけではありませんが、差額ベッド代や食事代の大半部分などは、自己負担の対象となっています。
この食事代がここ数年で段階的に引き上げられています。2016年3月末までは1食260円だったのが同年4月より360円に、さらに2018年4月からは460円と100円単位の値上げが続きました。そして今年の6月1日から、入院時の食事代の自己負担額が1食460円から490円に引き上げられます。
今までの値上げは、食事療養基準額640円のうちの自己負担部分の見直しでしたが、今回は、この食事療養基準額自体を670円に見直し、それに伴う自己負担額の引き上げということになりました。物価高の影響で食材料費が高騰したことが主な要因で、食事療養基準額自体の見直しは約30年ぶりとなります。コスト高に伴うインフレの影響は、このようなところにも出てきています。
なお、アサヒグループ健康保険組合には、高額療養費制度に対して独自の「付加給付」があるため、健康保険適用の治療費等については、自己負担限度額が「1レセプト月25,000円まで」と一般の方よりもかなり低く(手厚く)設定されています。ただ、入院時の食事代や差額ベッド代などは高額療養費の適用外ですので、これらの費用は別に備えておく必要があります。
こうしてみると、将来のリスクへの備え方もインフレを考慮した方法を検討する時代になっているのかもしれません。非課税口座であるNISAでの積立を検討するのも一考でしょう。現在、医療保険に加入されている方は、まずは使える制度をふまえた上での過不足を確認するところから始められてはいかがでしょうか。
(※)医療費の自己負担額が高額になった場合、支払った医療費の総額が一定額を超えると、超過分が健康保険から払い戻される制度。マイナ保険証の活用、もしくは「限度額適用認定証」を事前に取得しておけば、最初から自己負担限度額までの負担のみで済ませることが可能。