マクロ経済スライドとは、世代間扶養を維持させようという考えのもとに導入された、年金抑制策のことです。本来、老齢年金は賃金や物価の上昇に連動して同様に増額されるものですが、インフレに伴う年金額の膨張を抑制するために、スライド調整率(現在は0.9%)が導入されています。
マクロ経済スライドによる給付水準の調整は、賃金や物価の上昇率が0.9%を超えない限り行なわれません。よって、物価上昇が0.9%未満であった場合はその分だけを引き下げる、また物価が下落している場合には、物価下落率分だけ年金額を引き下げる、という改定が行われるだけで、それ以上のスライド調整の効果はありません。
そこで厚生労働省は、今後、物価の変動に関係なく毎年度スライド調整率(0.9%)を適用して年金給付を引き下げる仕組みを検討しています。ただそれでは、高齢者の負担が大きすぎる、との意見も出ており、調整が続いています。
いずれにしろ、インフレによる資金の目減りや抑制される老齢年金に対処するためにも、将来に向けての自助努力は欠かせません。それぞれにどのようなことができるか、今からしっかりと検討しておくことが大切だと言えるでしょう。