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いつかお世話になることがあるかもしれない「成年後見制度」について知っておきたいこと

 高齢化が進む我が国にあって、「成年後見制度」が導入されたのは2000年4月。ちょうど公的介護保険制度と同じタイミングでの導入でした。でも、成年後見制度についてなかなか知る機会もなく、活用した経験がある、という方は少ないのではないでしょうか。

 成年後見制度は、認知症等により判断能力が不十分な人の権利を守るために、家庭裁判所によって選任された援助者が、法律的に支援する制度です。成年後見制度のうち、すでに判断能力が不十分な状態にある人に対して、家庭裁判所によって選任された後見人が支援を行うのが「法定後見制度」です。援助者となる後見人が対応できることとして、預貯金の管理や振込依頼のような金融機関との取引、日常的な生活費の送金や光熱費の支払い、年金等の管理などがあります。

 また、本人の判断能力が不十分になる前に、信頼できる人と契約を結んでおき、判断能力が不十分になったときに後見を始めるという「任意後見制度」もあります。誰を任意後見人にするか、その人にどのような権限をゆだねるのか、といったことも任意後見契約の内容に盛り込んでおくことができるので、本人の意思を反映できることが大きなメリットとされています。ただし、委任できるのは原則として法律行為に限定されるのは法定後見制度と同じです。上記のようなお金の管理や介護保険の利用契約、遺産分割などの相続手続きは可能であっても、本人の世話や介護については含まれないので、しっかり把握しておく必要があります。

 直近のデータでは、この成年後見制度を利用している人は約23万人となっています。600万人を超える人が要支援・要介護認定を受けている介護保険制度と比較すると、まだまだ十分に活用されているとは言えない状況です。2025年には認知症患者が700万人を超えると言われている現在、判断能力が十分でないために財産管理等が難しくなり、通常の生活を維持できないにもかかわらず、こうした制度の存在も知らないために自ら助けを求めることもできない、という人が増えているといいます。身近な人を守るために知っておきたい制度の1つであるといえるでしょう。

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