先月、内閣府より月例経済報告が発表され、景気回復期間が「いざなぎ景気を超えた可能性が高い」と公表されました。いざなぎ景気とは、1965年11月から57ヵ月間続いた戦後2位の高度経済成長期をいいますが、今回、2012年12月から58ヵ月間の景気回復が続いているとの認識が示されました。
年平均10%の経済成長を続けたいざなぎ景気と比べ、今回は緩やかな回復基調が続いているとの判断がなされており、企業収益の連続増加や有効求人倍率の1倍超えが続いているなど、景気回復を示す指標が目立ちます。
一方で、厚生労働省が毎年行っている「国民生活基礎調査」の世帯収入(中央値)を見てみると、今から30年前、バブル景気時の1987年は435万円、その後1995年に550万円のピークを付け、それからは下がり続け、直近の2015年は428万円。世帯収入が伸びていないという現実があります。
1992年に初めて共働き世帯が片働き世帯数を上回って以来、増減はあるものの共働き世帯は増加傾向にあります。それにも関わらず、世帯年収が減少している理由のひとつとして、非正規雇用者が増えていることが挙げられます。夫婦ともに非正規雇用という若い世代も増えており、世帯収入が上がらないことから、将来への不安が高まり、消費も伸び悩んでいることが考えられます。
財務省が先月発表した「法人企業統計(平成28年度)」において、企業収益が設備投資や人件費に回っておらず、内部留保が積み上がっていることが示されましたが、この先、設備投資が積極的に行われ、賃金上昇につながっていけば、実感を伴った景気回復が期待されます。今後の経済動向に注目しましょう。