人生100年時代といわれる昨今、健康で長生きできれば何よりですが、年齢を重ねるに従い、介護や認知症といった不安がつきまとうのも事実です。2015年に厚生労働省が発表したデータ※では、65歳以上の高齢者で認知症を患っている人は、2012年に462万人(高齢者の約7人に1人)でしたが、2025年には約700万人、と実に約5人に1人と予想されています。
こうした背景もあり、最近相次いで登場しているのが「認知症保険」です。所定の認知症が90日あるいは180日など一定期間続いた場合に一時金や年金を受け取ることができ、治療費用などに充てることを目的としたものが多いようです。
また、認知症の人が徘徊している時に起きた事故で、家族が高額な損害賠償を求められることもあり得ます。2007年に認知症の人が電車にはねられた死亡事故では、鉄道会社が家族に遅延の損害賠償として約720万円を請求する訴訟を起こしました。結局、最高裁判決では、このケースについては家族に賠償責任はないとされましたが、家族の介護の実態などによっては、賠償責任を負うという判断が示されました。
つまり、家族の監督責任を問われる場合もあるということです。一般に損害賠償を請求されるような事態に備える保険には「個人賠償責任保険」がありますが、すでに傷害保険や自動車保険、あるいはクレジットカードに特約として付帯しているケースもあります。覚えていないという方も多くいらっしゃるようですので、確認してみることをお勧めします。
なお、すべての保険で、認知症患者による事故を補償対象としているわけではありませんので、問い合わせてみるとよいでしょう。
※厚生労働省「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」