公的介護施設である特別養護老人ホーム等の入所にかかる費用のうち、食費および居住費は本人の自己負担が原則となっています。その月額は、食費が4.2万円、居住費(ユニット型個室の場合)6.1万円であり、これが基準費用額となります。これに対して、住民税非課税世帯に属する低所得者である場合には、その所得に応じて負担限度額が3段階に設定されています。最も所得が低い人が該当する第1段階の場合の月額は、食費0.9万円、居住費(ユニット型個室の場合)2.5万円に軽減されており、それぞれ基準費用額との差額である食費3.3万円(4.2万円-0.9万円)、居住費3.6万円(6.1万円-2.5万円)を補足給付として受給することができます。
なお、2014年介護保険法改正において、住民税非課税世帯であっても、一定以上の預貯金や有価証券等の金融資産を有する世帯については、補足給付が受けられなくなりました。その基準は、単身1,000万円、夫婦世帯で2,000万円を超える場合となっていますが、大きな改正でしたので、覚えている方もいらっしゃるでしょう。
また、2016年12月の厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会では、補足給付の資産要件に、金融資産だけでなく一定額の宅地等を保有している場合も追加してはどうかという意見書がすでに提出されています。さらに、今年4月の財務省 財政制度等審議会財政制度分科会においては、現行の金融資産の基準の見直しも含めて検討する必要があるとの資料も提出されています。
補足給付は、介護施設の入所者だけでなく、一時的に利用できるショートステイも対象となっています。ご家族の方がすでに施設に入所されている場合もあるでしょうし、在宅介護であればショートステイを利用される機会も多いのではないでしょうか。補足給付の有無は、介護費用に大きく関係しますので、今後の動向には注意しておきたいところです。
※食費および居住費:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(2019年2月)資料より