総務省が22日に発表した11月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比で2.5%上昇しました。伸び率としては、2022年7月の2.4%以来16ヵ月ぶりの低水準となりましたが、前年同月比の上昇は27カ月連続で、日銀の物価目標である2%を上回る水準での上昇が続いています。
物価上昇が続く背景には、サービス価格の上昇があります。サービス価格を押し上げているのは、主にインバウンド(訪日外国人)を含む観光需要の回復です。さらに、高校や予備校の補習教育費やテーマパーク入場料、警備料などコストに占める人件費の比重が大きい産業でも上昇がみられました。原材料の価格に左右されやすいモノに比べて賃金の動向などに影響されやすいサービスの価格は、一度上がると継続しやすいと考えられます。
一方で、電気・ガス価格激変緩和措置により、電気代・ガス代は低下しています。11月の電気代の下落率は18.1%で、10月の16.8%からマイナス幅が広がりました。都市ガス代も16.8%下がっています。総務省によると、上記措置がなければ、生鮮食品を除いた総合指数の上昇率は3.0%で、政策効果で物価の伸びを0.5ポイント抑えていたことになります。
景気の好循環のためには、物価上昇と賃金上昇が相互に影響しあうことが好ましいとされていますが、日銀のレポートによると、2023年は「物価上昇が賃金上昇へ及ぼした影響」が確認できたと分析されています(日銀「経済・物価情勢の展望(2023年10月)」より)。2024年は、持続的な賃上げが進むことに加え、価格転嫁がさらに進み中小企業にも賃上げが波及すれば、景気の好循環が実現できる可能性もあります。来年も経済の動向には引き続き注視していきましょう。