“メンタルアカウンティング”という言葉を聞いたことがありますか?
これは「人はお金に関して何か決める時、自分のなかに小さなフレームを作り、その中で意思決定をしており、必ずしも合理的に判断してお金を使っているわけではない」という心の操作のことを意味していて、心の会計、あるいは心の家計簿と呼ばれています。昨年ノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のセイラー教授が研究している行動経済学という分野であることから注目を集めています。
たとえば、普段の食料品や日用品の買い物では10円でも安い方を買う人であっても、何万円もする高級ブランド品は、それほど躊躇なく買うことがあります。これは「自分へのご褒美」として特別支出に値すると心の会計が判断するからなのです。
また、家具や家電製品を買換えるときには、価格の比較などをしたうえで決めるけれど、マイホーム購入に伴って買う場合は、値段を気にせずあれこれ購入してしまうことがあります。マイホームという数千万円の大きな買い物の際には、家電製品の数万、数十万円は小さな金額と認識され、重要とは思わない心理になるようです。
こうした心の会計が「お金の使い方の矛盾」を生み出し、非合理的な消費行動に走らせるため、「無駄使いがやめられない」、「お金が貯まらない」といった悩みの一因につながると考えられます。
お金の管理についての悩みの解決策として、銀行口座を複数に分け、普段使いの「生活口座」には一定金額以上を入れておかない、「目的別貯蓄口座」は定期積立などを利用して天引き貯蓄ができるようにするなど、あらかじめ制限をしておくことも有効です。自分のお金に対する考え方や感じ方を、時には客観視するよう心がけてみてはいかがでしょう。