アサヒグループ

Weekly

FPトピックス

不動産が“負”動産に!?

依然として空き家問題は深刻化しており、総務省の「平成30年 住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は848万9千戸。前回の平成25年調査と比べ、29万3千戸(3.6%)増えており、過去最高となっています。建物は空き家のまま放置されていると、より一層資産価値が下がっていきますが、過疎化の進む地域にあれば、土地についても資産価値や利用価値はないに等しいということもあり得ます。

そうした空き家、空き地が相続財産となるケースも少なくないようで、長年親が住んでいた実家となれば、現在の自宅から遠く離れた場所にあり、もはや自分が住むことはないとしても、そのまま残しておきたいという思いもあるでしょう。ただ毎年、固定資産税を納め続けなければならず、さらに、雑草を除去したり、建物の倒壊、火災が起きないよう定期的な管理も必要となります。

こうした費用がかかることを考慮して、土地建物を売却しようとしても、資産価値、利用価値がないと判断されれば、不動産業者に取り扱ってはもらえず、無料でもよいからと市町村などへの寄付を申し出ても、応じてもらうことは難しいでしょう。また、相続が発生してから3ヵ月以内であれば相続放棄も可能ですが、土地建物だけでなく相続財産すべてを放棄しなければなりません。結局、相続により土地等を取得するものの、その場合の不動産登記は任意であるため、相続が繰り返されるうちに、所有者が不明になっている土地は2016年時点で約410万ha、2040年には北海道本島の土地面積(約780万ha)に匹敵する約720万haになると推計されています(※)。

また、このような土地を手放したいと思っても、現行民法では、土地の所有権放棄の可否に関する規定がないことから、土地所有権の放棄を認めるような制度の創設が検討課題となっています。法制審議会 民法・不動産登記法部会において議論が重ねられており、昨年12月に「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案」が取りまとめられました。いわゆる骨太方針2018等の政府方針においても本年(2020年)中の改正を目指すとされていますので、引き続き、注視していきたいところです。

※内閣官房「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議(平成30年1月)」の提出資料より

FPトピックス バックナンバー ※タップするとリストが表示されます。

Copyright c2014 Know's i-land,Inc.All rights reserved.