病気やケガで入院する際に聞く「差額ベッド代」という言葉。実はどんな場合にかかって、どれくらいかかるのかは知らない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
差額ベッド代は、正式には「差額室料」といい、この差額室料を要する病室が「特別療養環境室(特別室)」です。より良い医療を受けるために特別にかかる料金で、健康保険適用の範囲外です。基本的には1人~4人の部屋に入院した時にかかる費用になります。
実際にこの差額ベッド代を徴収されるのはどのようなケースが考えられるでしょうか?
1つは「同意書にサインをしたとき」。もう1つは「患者自らが希望した場合」となります。
差額ベッド代は、健康保険適用の範囲外の特別な上乗せ料金なので、病院が差額ベッド代を患者に請求するには、わかりやすいところに差額ベッドの料金や設備について掲示したり、ていねいに説明し、患者に同意を得る必要があるとされています。そのうえで、料金などを明記した書類に患者が署名することになっています。
病院側が患者側に差額ベッド代の料金を求めてはいけない場合として、以下の3つのケースがあります。
・患者側から同意書による同意の確認を行っていない場合
・患者本人の「治療上の必要により差額ベッド室に入院した場合」
・病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらないとき
上記「治療上の必要」の例としては、次のような場合があります
(1)救急の患者、術後などで、重症のため安静が必要なときや、常に監視が必要なときなど、手厚い看護や介護が必要な場合
(2)免疫力が低下して、個室でないと感染症にかかるおそれがある場合
(3)集中治療が必要な場合、終末期の患者で身体的・精神的な苦痛を緩和する必要がある場合
なお、治療上個室などが必要な患者さんが、通常の個室よりさらに環境の整った病室を希望したときは、差額ベッド代が必要になります。
入院ともなると、あせって説明を聞き流し、機械的に署名してしまって、あとから高額な差額ベッド代が請求されて驚いた、などというトラブルも起こりかねません。入院するとき、病院から差額ベッドをすすめられたり、個室を希望するときなどは、その差額ベッド代をきちんと確認して、納得したうえで書類に署名するようにしましょう。