2024年度の公的年金に「マクロ経済スライド」が発動され、年金額が2年連続で抑制される見通しとなっています。2024年度の公的年金額は、前年比2.6%の増額と試算されていますが、給付が「抑制」されるとはどういうことか、確認してみましょう。
公的年金は本来、賃金や物価の変動に連動して給付額が改定される仕組みです。これにより、世の中の賃金や物価が上がると年金給付額も増えることとなり、年金生活者もインフレに対応できるようになっています。しかし、少子高齢化が進むなか、厳しくなる年金制度を将来にわたって維持していくために、賃金や物価の上昇ほどは年金給付額が増えないよう「マクロ経済スライド」の仕組みが導入されています。この「マクロ経済スライド」が2024年度も発動されることで、年金改定率は、賃金上昇率の3.0%から「マクロ経済スライド」の調整率0.4%が差し引かれ2.6%に「抑制」されるということです。前年比で年金額は増えるものの、賃金や物価の上昇率には追い付かず、実質目減りすることとなってしまいます。
試算では賃金や物価の上昇が今後も続き、2027年度までは年金の給付抑制が続く見込みで、支給額は毎年増えていくものの、物価上昇率に比べると0.8~1.0ポイント目減りすると予測されています。
来年1月には2024年度の年金改定額が公表されますが、単純な改定額だけでなく、その裏側にある改定のルールを知っておくことで、年金給付額が実質どのようになっていくのか、しっかりと確認していきましょう。