住宅購入を考えている方にとって、悩ましいのは住宅ローン金利の選択ではないでしょうか。金利には大きく分けて、最初に提示された金利が借入期間中変わらない「長期固定金利」もあれば、一般的に6ヵ月ごとに金利が変わる「変動金利」があります。日銀のマイナス金利政策の影響により、住宅ローン金利も長い間低金利が続いていますが、変動金利に至っては、多くの金融機関で1%を下回る金利が提示されています。その中でも、できるだけ低い金利で借りたいと思われるのは当然なのですが、実は低い方の金利が必ずしも有利とはいえないケースもあります。
たとえば、変動金利の住宅ローンで
①「金利0.475%・手数料(借入金額×2.2%)・保証料不要」
②「金利0.525%・手数料3.3万円・保証料必要」
という2つの商品があったら、どちらを選んだらよいでしょうか。借入金額3,000万円、借入期間30年という例で試算してみます。なお、借入期間中、金利が変わらなかった設定とします。
①の場合、最初に支払う手数料は66万円(借入金額3,000万円×2.2%)、30年間の支払利息合計は219.4万円で、合計285.4万円です。一方②については、最初に支払う手数料と保証料はそれぞれ3.3万円、57.4万円、そして30年間の支払利息合計は243万円で、合計303.7万円ですので、金利の低い①の方が有利です。
次に、20年後に一括繰上返済した場合で比較してみましょう。①の場合、最初の手数料は同じく66万円、20年間の支払利息合計は194.1万円で、合計260.1万円です。一方②の場合は、最初に支払う手数料と保証料は同じく合計60.7万円、そして20年間の支払利息合計は215.0万円で、合計275.7万円ですから、こちらも①の方が有利に見えます。ただし、保証料は30年分を支払っており、未経過の10年分(19.1万円)は戻ってきますので、これを差し引くと256.6万円となりますので、こういったケースであれば若干ですが②の方が有利といえそうです。
住宅ローンには、毎年の借入残高の1%が10年間(または13年間)、所得税額から控除できる住宅ローン減税という税金メリットもあり、この控除期間の終了とともに、一括繰上返済を計画される方もいらっしゃいます。そうした場合には、住宅ローン商品の選び方でずいぶん差が生じることもあり得ます。ただし、他にも注意すべき点もありますので、ご自身での判断が難しい場合は、ファイナンシャル・プランナーの個別相談をご活用ください。