「ワーク・ライフ・バランス」とは、もともと1980年代から欧米で使われるようになった概念ですが、日本では2007年に内閣府により「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と行動指針が策定されています。毎年レポートが公表されていますが、10年経った今、2017年度版では「仕事と家事・育児・介護の両立」の特集が組まれていますので、その現状を確認してみましょう。
夫が家事や育児にかかわる時間は増加傾向にあるものの、妻と比較すると圧倒的に短い状況は依然として変わっていません。夫の育児休業取得率もいくぶん増えてきていますが、残念ながら低い水準にとどまっています。
また、介護については、在宅介護の担い手は相変わらず、女性が全体の約6割を占めていますが、介護の平均時間では、男性152分、女性148分と、初めて男性が女性を上回りました。離職者を増やさないためにも、フルタイムで働きながら、在宅介護が可能な仕組みづくりが急務といえます。
こうした流れの後押しとして、国や地方公共団体では、男性の家事や育児への参加を促す「“おとう飯”始めようキャンペーン(内閣府)」や「みえの育児男子プロジェクト(三重県)」などの取組を行っています。企業における取組では企業主導型の事業所内保育事業を主軸として、多様な働き方に対応する保育サービスの拡大が進んでいます。レポートでは『カイシャde子育て』を実現する企業内託児スペースを設けた情報通信会社や、企業主導型保育所を導入したバス会社の例が紹介されています。
仕事と家事・育児・介護の両立のために、さらなる国の取組に大いに期待したいところです。