10月25日から、2025年の次期年金制度改正に向けた議論が始まりました。5年に一度の財政検証で今後どのような制度改正が想定されているのか、一緒に確認してみましょう。
「財政検証」とは、公的年金財政の定期健康診断に当たるものです。公的年金制度には、少子高齢化に伴う公的年金加入者の減少や平均寿命の延びなどを考慮して、給付と負担のバランスを自動的に調整する仕組みがあります。このバランスがとれているかを確認するために、少なくとも5年ごとに将来の年金水準の見通しを試算しています。
厚生労働省によると、現状のままでは国民年金の受給水準が、25年後には約3割減る恐れがあり、この状況に歯止めをかけるため、さまざまな案が浮上しています。現在想定されている制度改正としては、基礎年金の加入期間を現在の40年間(20~59歳)から45年間(20~64歳)に5年延長し給付を厚くする案があります。この他、会社員などが加入している厚生年金は比較的財政に余裕があるため、厚生年金から財源の一部を国民年金にまわすことを検討したり、厚生年金の加入対象となる労働者をパートなどにも広げ、給付の底上げや年金財政の安定化につなげる案などが挙げられています。
少子化が加速し、給付と負担のバランスが崩れつつあるなか、より多くの女性や高齢者が就労する環境整備も重要性を増してきています。2025年4月からは65歳までの雇用義務が本格化しますが、長く働き続けることや、長生きに備えた貯蓄や運用などの計画的な準備も考える必要がありそうです。人生100年時代に向けて、今後の制度改正の動向に注目していきましょう。