2022年度の個人住民税の課税対象所得は9年連続で増加し、全国の約3割にあたる494市区町村が、バブル期を上回りました。賃金上昇に加えて株式や不動産の売却益も寄与しているようです。
兵庫県淡路市では、2020年秋にパソナグループが本社機能の一部を淡路島に移転するなどの企業誘致が進み、それにより給与水準の高い個人が移住してきたことが個人所得の伸びにつながっているようです。
都道府県別の上昇率トップは山形県で、全体の8割にあたる28市町村でバブル期を上回りました。県内陸部を縦断する東北中央自動車道が順次開通し、酒田港(酒田市)で国際ターミナルが整備されるなど物流インフラの充実もあり、企業立地や農産物の高付加価値化が進み、住民の所得を押し上げています。
全国平均の個人所得は、前年度より10万円多い361万円となり、1992年度より5%少ない水準にまで回復しています。東北や九州など地方圏の回復が先行し、バブル期に土地高騰などで所得が大幅に上がった大都市圏は、やや回復が遅れています。
多くの自治体で個人所得はバブル期に近づいていますが、それ以上に物価の上昇も続いています。「どこで生活をするのか」の選択肢が広がる昨今、「所得の上昇」だけでなく「住み心地」といった実態的な要素も加味して検討したいところです。