つい先日、「景気の谷」という言葉がニュースになりました。そもそも「景気」とは、経済活動全般の動向を表しているもの。世の中の様々な経済活動は、いくつかの要因が関連し合いながら波が起こります。好況でもっとも良い景気のときが「景気の山」、これに対して、不況でもっとも悪い景気のときが「景気の谷」です。景気の谷から次の景気の谷までを1つの周期として回復、好況、後退、不況が繰り返し現れることを景気循環と言います。好況のときは、人々の購買意欲は増加するのでモノが売れます。その結果、製品を作っている企業の業績が上がり、勤めている従業員の賃金も上昇します。生産を増やすため設備投資も活発になります。しかし、生産を増やし過ぎるとモノがあふれて売れなくなり、物価も下がり始めます。モノの値段が安くなっても、モノが余っている状態はすぐには解消されず、企業は余剰在庫を抱えて業績は落ち、雇用の抑制や賃金の削減が行われます。この状態が不況です。
11月30日に内閣府が公表した、有識者会議による判断では、「景気の谷が2020年5月で、2018年11月から始まった景気後退局面が終わった」とのこと。昨年5月は新型コロナウイルスの感染拡大により全国に緊急事態宣言が出されていた時期と重なります。また、昨年5月を谷とすると、理論上は翌月以降は景気回復局面に入ったことになります。実際には昨年6月は緊急事態宣言の解除などで景気は上向いたものの、その後の感染再拡大などの影響から、今年の7~9月のGDP(国内総生産)の伸びはマイナスとなるなど、依然としてコロナ禍前の水準には届いていません。変異株の出現など、まだコロナ禍の出口が見えない状態ではありますが、国から発出される景気対策の施策などに注目することで、私たちの生活に密着した部分の制度変更や給付などに反映されることがわかり、世の中のしくみや動きが見えてきます。今後も気を付けて見ていくとよいですね。