仕事とプライベートを上手く調和させ、より豊かな生活が出来ることを目指す、いわゆる「ワークライフバランス」が推進されるようになって久しいですが、現状はどうでしょうか。就業継続を困難にする理由の2位となっている介護について考えてみましょう。
日本に介護保険制度が導入されてすでに20年以上がたちますが、介護する者の内訳をみると、同別居を合わせて6割近くが要介護者の親族、また7割近くが女性、となっています。核家族化による家族の介護力の低下が進む一方で、今も続く家族による介護依存の実態が明らかになっています。
働きざかりの人たちが家族の介護のために退職や転職を余議なくされ、それまでの社会生活から離脱せざるを得ない状況は、本人や家族はもちろん、社会全体にとっても大きな損失といえます。また、少子高齢化のもと、日本経済において女性の労働力への期待も高まってきています。育児と同様、離職理由の高い介護と仕事をいかに両立させるかは、国や地域、企業にとっても、また社員にとっても大きな課題となっています。
[主に介護をしてくれる人の状況]
近年、介護を支援するための雇用保険法の改正が相次いでいます。詳しくは会社もしくはハローワークに問い合わせてみましょう。
介護休業期間中、休業開始時賃金日額の67%が支給される(最長93日・3回を限度に分割取得も可能)
※同一の対象家族の同一要介護状態について取得する介護休業が対象
要介護状態の家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日取得できる(1日または1時間単位で取得可能)
アサヒグループ共済会(ニコット)では、雇用保険からの介護休業給付金以外に、介護に関するサポート制度を設けています。くわしくは共済会担当者までお問い合わせください。
介護休業を取得した場合、雇用保険の介護休業給付金とは別に、1日あたり、雇用保険における休業開始時賃金日額(上限あり)の80%相当額と介護休業給付金日額との差額を援助金として給付(通算93日まで)
本人、その家族の不時の際に、生活支援サービスを利用した場合、その費用の一部を補助(原則1回につき5日間、同一事由による補助は延べ30日まで)
・受付手数料、基本日給額、紹介手数料、往復交通費の70%相当額
(1日あたりの上限5,000円)
また市区町村でも、介護保険制度とは別に、介護に関する独自のサービスが提供されています。例えば在宅介護の場合、介護保険制度では支給の対象とならない大人用紙おむつを、一定の要介護状態の方に支給している市区町村があります。また、介護保険制度の支給限度額について独自の上乗せ制度を実施している市区町村もあります。
地域で高齢者を支える取組みはいろいろな形で行われていますので、詳しくはお住まいの地域の役所窓口やホームページで確認してみるとよいでしょう。
介護用品の支給サービス | 介護用品(食事補助具、介護用ベッド、車椅子、歩行具等)の購入費用の助成や支給・貸出しを受けられる。市区町村、要介護状態などにより異なる |
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高齢者おむつ支給サービス | 要介護状態などに応じて一定の要件を満たした高齢者に対し、紙おむつ券の支給や紙おむつの送付サービスを行っている。市区町村、要介護状態などにより異なる |